Middle Tempo Magic

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世界屈指のリゾートホテルチェーンを一代で築き上げた
夫デヴィッド・シーゲルと、元ミセス・フロリダに輝いた
超強烈グラマラスばてーを持つ美熟女妻ジャッキー。

彼らの暮らしはというと、なんと年収は驚きの1000億円オーバーで
見てみると想像の範疇を遥かに飛び越えすぎていてポカーンな
豊臣秀吉もビックリの怒涛の超絶豪華絢爛悪趣味生活。

その溢れんばかりの巨万の富パワーで財界・政界を問わず思いのままに支配し
かのジョージ・ブッシュを大統領に仕立て上げた立役者とも言われており
もうもう文字通りこの世の春を謳歌中。

自家用ジェットにクルーザーに豪邸にロールスロイスやらベガスの超高層自社ビルなんて
「ごくごく普通の」お金の使い方じゃ満足できず、なんとなんと。
総工費100億円をつぎ込んでベルサイユ宮殿を模した城を建ててしまう！

本作品は、そんなアメリカンドリームを成し遂げたシーゲル夫妻の
超成金セレブ生活に密着し、ただただもうスゲーって言うだけのドキュメンタリー映画。
もうじゃがりこ片手に鼻くそほじってフーンですよ。

のはずだったのですが・・・

密着開始から数ヶ月して、リーマンショックが市場を直撃！
事態は思いも寄らぬ事態へと急変します。

資産は片っ端から差し押さえ、夫妻は1200億円に。
一夜にしてどん底へと突き落とされるシーゲル夫妻ですが
なんか感覚がズレ過ぎてしまっていて、あきれちゃうというか
そんなの通り越して笑ってしまう。
本当に悲観してる様子も全くなくてあっけらかんとしてるし
相変わらずの浪費癖も直んないし。

それどころか、自分こそが世界を動かしてると信じて疑わないキングは
絶対に這い上がってやると胸に誓って不屈の精神で不眠不休で戦い続けてる。

夫婦そろって見栄っ張りの成金趣味ではあるけど(映画の印象操作もあるだろうにしろ)
不思議とあんまり嫌な感じもせず、愛すべき無邪気な人達という感じ。

奥さんはお金がなくなったからどっかへ行ってしまうような人でなく
苦境に陥っても家族を愛してがんばろうって努力して好感が持てます。
まあ、ズレまくってますけど・・・。

そんな夫妻を、羨ましがるわけでもなく、嘲笑するわけでもなく。
ふおーっ！と言いながら、素直に楽しめるジェットコースターエンタメムービーに
なってあっという間の1時間40分でした。


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しかしまあ。
お金さんというのはつくづく不思議なもんだなあと思わされた。

国家予算級の借金を抱えてるといっても
劇中でシーゲル氏本人いわく「本当に金がないわけではない」と。

ようするに借金してても、資金を用立てる能力があるから
なので節約してるといっても、相変わらず、豪邸に住み、召使を雇い
高級車を乗り回す超豪華生活を送ってる。

お金持ちというのは、お金を持っているってことじゃなくて
天下の回り物であるお金を右から左へくるっと回して我田引水する
流れを生み出せる力のことなんだなあ・・・。
言い方を変えると、チート状態になれる世の中のカラクリ
世界の理(コトワリ)を会得してるというか。

みんなが100円貸して100円借りあえば、みんなが潤ってハッピー的な
リクツというか屁理屈はわかるけど、でも、サブプライム層な人達が
真の意味でジリ貧していることを思うと、ちょっとなあ、とは思います。