Middle Tempo Magic
人混みの中に埋もれ埋もれ
海賊と呼ばれた男
1885年、福岡の宗像に生を受け、25歳で独立すると門司で石油を扱う商店を始め、瞬く間に福岡の漁船向け燃料市場を独占する働き振りから海賊の異名を取り、戦前、戦中と、満州や東南アジアにまで広く、その名を轟かせた。
戦後は、世界の経済市場の覇権を握っていた米英の石油メジャー達に抗い、日本国の未来を牛耳らせまいと、日本のために内外問わず孤軍奮闘。
厳しい情勢化にありながらも「社員は家族」というポリシーを貫き通し、一人として馘首もなかったという。
1953年には、英国の植民地支配から脱したものの、圧力により原油を売ることが出来なくなったイラクへ、秘密裏にタンカー日章丸を送り込むと、世界中をあっと言わせた。
その後も、常に、私利私欲ではなく、全ては国のため客のため、巨大な権力が相手であっても臆することなく、さまざまな内外の圧力に耐えながら、己のポリシーを貫き通し、数々の不可能を可能にして来た男。
彼の人生は常に、激動、そのものであった・・・。
◆◆◆◆◆
誰のこっちゃと言えば、出光のガソリンスタンドでお馴染み出光興産の創立者。
出光佐三、その人である。
というわけで、百田尚樹「海賊と呼ばれた男」を読んだ。
戦後は、世界の経済市場の覇権を握っていた米英の石油メジャー達に抗い、日本国の未来を牛耳らせまいと、日本のために内外問わず孤軍奮闘。
厳しい情勢化にありながらも「社員は家族」というポリシーを貫き通し、一人として馘首もなかったという。
1953年には、英国の植民地支配から脱したものの、圧力により原油を売ることが出来なくなったイラクへ、秘密裏にタンカー日章丸を送り込むと、世界中をあっと言わせた。
その後も、常に、私利私欲ではなく、全ては国のため客のため、巨大な権力が相手であっても臆することなく、さまざまな内外の圧力に耐えながら、己のポリシーを貫き通し、数々の不可能を可能にして来た男。
彼の人生は常に、激動、そのものであった・・・。
◆◆◆◆◆
誰のこっちゃと言えば、出光のガソリンスタンドでお馴染み出光興産の創立者。
出光佐三、その人である。
というわけで、百田尚樹「海賊と呼ばれた男」を読んだ。
◆◆◆◆◆
何やら上で熱苦しく書いてるけど、実は、和田竜センセイの「村上海賊の娘」と、間違えて買ってしまったというのは、嘘の様で本当の話・・・。
そんなわけで、全然読もうと思っていなかったし、百田センセイは「永遠のゼロ」の映画化が記憶に新しく、ヒット作は連発してるけど、小説以外でも結構な左寄りの、偏ったイメージでご活躍されてるみたいだし・・・。
正直なところ、何だか失敗したなあと思って読み始めたけど、ここは残念ながらと言うべきか。
文章もいかにも伝記風だからなのか特に面白みはないし、後述するような理由もあり、色々と気になる点は多いのだけど、正直なところ、とても面白かったと言わざるを得ない。
ここも逆に残念ながらと言うべきなのかしら。
◆◆◆◆◆
主人公だけは出光佐三ではなく国岡鉄蔵という名前になっているけど、他の人物は全員実在していたそうだ。
大変な愛国者で熱心な皇室崇拝者でもあったという、百田先生が好みそうな人物像の出光氏の伝記だけあって、端から端まで金太郎飴のようにヨイショしており、出光氏と出光商店だけが、ユダヤの民をファラオの圧政から救うモーセの如き正義の使者であり、孤軍奮闘しているかのような書き方はどうなんだろう?
実際のところ、かなりの旧来の日本的な男尊女卑な考えも持っていたようだし、時代が時代とは言え、社員は家族だとか言って篤く扱ったように描きながらも、従業員にはド根性主義の相当な無茶をさせていて、今ならブラック企業とか揶揄されてしまいそう。
もちろん、そういったなりふり構わぬ、先輩方の頑張りがあったからこそ、戦後わずかな間に復興を成し遂げ、世界屈指の経済大国になれたのはわかっているけど。
なんていうか、良い事しか言わないのは詐欺師の常套手段、という感じがしてしまう。
誤解がないようにいうと、出光サンをdisってるんでじゃなくて、劇中の極端な描かれ方の事を言っています。
なんか、作家のプロパガンダに偉人にステマさせてるんじゃ、みたいに邪推してしまうのです。
◆◆◆◆◆
とか文句ばっかり書いてますが、出光氏の生き様には胸を打たれるものがある。
根性論は時代遅れな世の中なのかもしれませんけど、今の平和ボケな日本から失われているとも言っていい、帝国時代の日本男児像ってのも大切だと思う。
そういや、この熱さと無鉄砲さは、ヨシムラの親父さんとか、坂井三郎とかにも通じるものがありますね。
バイクで走り回ってる自分は店舗が多くてカードの割引がお得なのでエネオス派だけど、本作品を読んでからは、出光の店を見かけると「おっ」と思ってしまうようになった。
あと、米英が石油欲しさに、結託してイラクでクーデターを起こさせ、意のままに支配しようとしたせいで、後々の長きに渡る不幸の種になっているとか、大戦後の日本での石油メジャーの陰謀だとか、知らなかったことが書かれていたのは面白かった。
自分が知らないだけで常識なのかなも知れませんが・・・。
そういえば、父に聞いたら、日章丸事件のことは覚えていると言ってました。
なんだか尻切れトンボだけど、書きたい事は書いたので、ここまで。
何やら上で熱苦しく書いてるけど、実は、和田竜センセイの「村上海賊の娘」と、間違えて買ってしまったというのは、嘘の様で本当の話・・・。
そんなわけで、全然読もうと思っていなかったし、百田センセイは「永遠のゼロ」の映画化が記憶に新しく、ヒット作は連発してるけど、小説以外でも結構な左寄りの、偏ったイメージでご活躍されてるみたいだし・・・。
正直なところ、何だか失敗したなあと思って読み始めたけど、ここは残念ながらと言うべきか。
文章もいかにも伝記風だからなのか特に面白みはないし、後述するような理由もあり、色々と気になる点は多いのだけど、正直なところ、とても面白かったと言わざるを得ない。
ここも逆に残念ながらと言うべきなのかしら。
◆◆◆◆◆
主人公だけは出光佐三ではなく国岡鉄蔵という名前になっているけど、他の人物は全員実在していたそうだ。
大変な愛国者で熱心な皇室崇拝者でもあったという、百田先生が好みそうな人物像の出光氏の伝記だけあって、端から端まで金太郎飴のようにヨイショしており、出光氏と出光商店だけが、ユダヤの民をファラオの圧政から救うモーセの如き正義の使者であり、孤軍奮闘しているかのような書き方はどうなんだろう?
実際のところ、かなりの旧来の日本的な男尊女卑な考えも持っていたようだし、時代が時代とは言え、社員は家族だとか言って篤く扱ったように描きながらも、従業員にはド根性主義の相当な無茶をさせていて、今ならブラック企業とか揶揄されてしまいそう。
もちろん、そういったなりふり構わぬ、先輩方の頑張りがあったからこそ、戦後わずかな間に復興を成し遂げ、世界屈指の経済大国になれたのはわかっているけど。
なんていうか、良い事しか言わないのは詐欺師の常套手段、という感じがしてしまう。
誤解がないようにいうと、出光サンをdisってるんでじゃなくて、劇中の極端な描かれ方の事を言っています。
なんか、作家のプロパガンダに偉人にステマさせてるんじゃ、みたいに邪推してしまうのです。
◆◆◆◆◆
とか文句ばっかり書いてますが、出光氏の生き様には胸を打たれるものがある。
根性論は時代遅れな世の中なのかもしれませんけど、今の平和ボケな日本から失われているとも言っていい、帝国時代の日本男児像ってのも大切だと思う。
そういや、この熱さと無鉄砲さは、ヨシムラの親父さんとか、坂井三郎とかにも通じるものがありますね。
バイクで走り回ってる自分は店舗が多くてカードの割引がお得なのでエネオス派だけど、本作品を読んでからは、出光の店を見かけると「おっ」と思ってしまうようになった。
あと、米英が石油欲しさに、結託してイラクでクーデターを起こさせ、意のままに支配しようとしたせいで、後々の長きに渡る不幸の種になっているとか、大戦後の日本での石油メジャーの陰謀だとか、知らなかったことが書かれていたのは面白かった。
自分が知らないだけで常識なのかなも知れませんが・・・。
そういえば、父に聞いたら、日章丸事件のことは覚えていると言ってました。
なんだか尻切れトンボだけど、書きたい事は書いたので、ここまで。
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山賊と呼ばれた男(バイク)
てっきり、バンの話かと。。2929
- tkj
- 2014/12/10(Wed)21:04:25
- 編集
山賊焼き
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バイク乗ったりうまいもん食ったり本読んだり写真撮ったり音楽聴いたり旅人に憧れれつつ人生迷子中だったり。
お問い合わせは wanito.kagekisuあっとgmail.com まで
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