Middle Tempo Magic

休憩しようとコンビニにバイクを停めたところ
向こうからバイクを押してくる人が・・・。
女子大生か専門学校生か、若いお嬢さんだ。
バイクはST250。何かトラブルだろうか？

「すみません、バイク詳しいですか？」

なんとも漫画的な展開！

しかも、結構かわいい。
ちょっとヤンチャそうだけど、元ヤンよろしく
なかなか礼儀正しく、律儀でいい子そうだ。

話を聞くと、低回転で走らせてしまう癖があり
よくプラグをカブらせてしまうので、
行きつけのバイク屋さんにもしかられているんだとか。
ご丁寧に予備のプラグも持っているのだが
メンテは全く出来ないので困っていた、と。

そんなわけでプラグを外してチェックしてみたけど
カブるどころか、濡れている気配もなくて真っ白。
最初、むしろ薄すぎる？ とも思ったけどもしや・・・。

「お姉さん、ガソリンいつ入れました？」

尋ねると、いつ入れたかも覚えてないけど最近ではない模様。
満タンでどれだけ走るか把握してないし
近場しか走らないので気が向いたらチョビチョビ入れてるらしい。

タンクを揺すってみたけどチャプチャプ言わず。
燃料コックは？

あちゃぁ、RESになってる・・・(ーー；

キャブのドレンから抜いてみれば確実だけど
ボルトが硬すぎて車載工具じゃ緩められず。
が、まあ、十中八九、ガス欠でしょう。

え？ 超ハズカシイ！ とショックを受けるオネエサン。

コンビニで最寄のスタンドの場所を尋ねるも
2kmぐらい先までないようだ。

彼女がお礼に飲み物でもと言うけど、
申し訳ない事に全く力になれてないので
むしろ自分がオゴリますよと、ちょっと休憩。

バンディットならコックのネジを外せば
タンクからガソリンを抜けたからガソリン分けられたけど
R1000はコックがないからなあ・・・。
スタンドは昨今のガソリン騒ぎで厳しくなってしまい
お願いしてもタンク以外には入れさせてもらえないし。

結局。

カブらせて押して帰るのもしょっちゅうなんで慣れっこです。
スタンドまで押していきます！
家も近いから大丈夫です！ 気合ッス！

と言う彼女をただただ、がんばって下さい、と見送るハメに。

非常に忍びない、申し訳ない・・・。
と思ったけど、よく考えたら、いや、考えなくても
イグニッションをONにすれば、燃料ポンプが動くんだから
R1000のタンクからからペットボトルにでもガソリン移せるいじゃん！

何故、こんな事に気が付かなかったのか。
いや、気が付かなくてもダメ元で自分がスタンドに行って
ガソリン調達を試みても良かったのでは？

バカバカバカー(＞＜)
っていうか、こんな夜中にオンナノコほっぽり出して
鬼ですよ、アクマの所業ですよ！

慌ててお姉さんの行った方へ走ってみるも
見つからずにスタンドについてしまった。

平和島近辺でほぼ一本道で何もないから
見落としもなさそうだけど、家も近いといってたから
曲がったのかな？

幸いセルフだったのでペットボトルに給油して
探して走りまわってみたけど徒労に終わり
ガソリンは自分のバイクへ。

うーん。

後で考えたら、こうすりゃいいじゃんって答えは
カンタンに出そうなものなのに。
極限状態でも何でもないのに、何故、こうなっちゃうんだか。

円満解決していればお互いいい気分だったのに
プラグ見て飲み物おごっただけって・・・。
私の頼りなさ、というか、しょうもなさを垣間見た気がします。
30歳でコレですかい。

果たして彼女は無事に帰りついただろうか。
私を見つけたときは、これぞ渡りに船！地獄に仏！
という感じだったろうに・・・。
相手が悪かっただけに不運ですなあ。
ホント、ゴメンなさい、ゴメンなさい ･ﾟ･(ﾉ∀`)･ﾟ･｡