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陽気なギャングが地球を回す

2008年の一冊目。
伊坂幸太郎の「陽気なギャングが地球を回す」を。

20080106.jpg

伊坂幸太郎センセイの作品は読んだ事がなかったのですが
友達が「面白い面白い」と薦めるので、
手始めに映画にもなって著名な本作品にしてみました。
ふむふむ。なかなか面白い。

人間嘘発見器の成瀬、演説名人の響野、
天才スリの久遠君、精密体内時計の雪子の4人が
銀行強盗をして逃走中、偶然にも現金輸送車襲撃犯とニアミス。
車と奪った金を横取りされてしまう。
金を奪還すべく、部屋を突き止め乗り込むと、そこには死体が・・・。

というお話。

強盗が主役のサスペンスものと言っても
最初から最後までテンポの良く明るい語り口調で
どっちかというとドタバタ劇に近いノリなんだけど、
ふざけてるようで真剣という不思議な感じ。

キャラ萌えとはちょっと違うかもしれないけど、
タイトルの通り4人組がなかなか愉快な奴らで、
これでシリーズものが作れそうな魅力があるなあと思ったら、
4人が活躍するのは本作が2回目で、さらに続編もあるみたいですね。

個人的には、おしゃべりの響野さんが気に入りました。
「嘘ばっかりで本当の事を言った事がない」と揶揄される
お調子ものの彼ですが、なかなか博識で音楽と文学に通じていて、
ボクシングでインターハイの話も実は本当・・・

仕事(この場合は強盗のですが)の前は

「ロマンはどこだ」

が口癖というのが表す通り、
夢とロマンを追いかける男は信用しちゃダメなわけですが
そんな口先と同じくどこまで本当なのか読めない
ユーモアたっぷりなところがステキです。

本作はまだ伊坂幸太郎デビューしたての頃の作品で、
この後も続々と人気作を書かれているのですね。

今回は先が簡単に読めてしまうところとか、
強盗の計画の緻密性とか薄っぺらいところとか
ラストの敵の大将との駆け引きが、ひどく尻つぼみなところとか
残念な部分もありましたが、なかなか楽しむことが出来て、
他も読んでみようかなと、期待をさせる作品でした。
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