Middle Tempo Magic

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小田急で小田原まで。
そっから東海道線に乗り換え、快速か何かに乗りっぱなしで
ひとっ飛びなのかと思ったら甘かった。

東海道線といえば常にぎゅうぎゅうに人間を押し込んだ
15両編成のオレンジ色のやや旧型の重たい金属の箱が
無機質な二本の中距離軌道線上をガガガーッと疾走している
メトロポリタンヘビーデューティーラピッドトランスポーテーション
というのを思い浮かべてしまいがちなのだが、それはどうやら
我々、神奈川、東京人のみが持つ偏狭な固定概念の産物だったようだ。

ひとたび相州の地をの外に足を踏み入れれば
左手には夏の太陽を浴びて輝く太平洋の水面(雨が降っていたのは自宅周辺だけ)
右手には青々とした田園やミカン畑が広がっていて
その中をガタンゴトンガタンゴトンと旧式の3両編成の列車が走る様は
それはそれは、大変長閑じゃありませんか。

時折、バイクで走って良く知っている風景に出くわしたりして
いちいち、おおおっと、新鮮な喜びに触れたりしながら、
熱海、静岡、浜松、豊橋と乗り換えまくってスローモーに各駅停車の旅は続く。


・・・。

続くんだけど、やっぱりというか、なんというか、だんだん飽きてきてしまった。
最初は楽しかったんだけどね。

一言で乗り換えって書いてるけど、トイレ行ったりおやつ買ったり
乗り換えのホームが違ってたり、ウトウトしてしまったりして
うまいこと、調べた通りに乗り換えられないし
ひとたびタイミングを逸すると余裕で30分は来ないし。
(首都圏的には、東海道線でコレはあり得ない)

迂闊に先頭車両に乗ろうものなら
付箋と蛍光ペンだらけの時刻表片手の『乗り鉄』の皆さんに挟まれ
遠まわしに「トーシローはすっ込んでろ」的な目で疎まれたり
夏休みのキッズの集団に囲まれてしまったり
基本的に車両内は妙なウキウキテンションが充満して騒がしいし。


なんとこさJR金山駅に到着し、地下鉄に乗り換えるべく下車。
エコノミー症候群寸前で悲鳴を上げる体に鞭打って
最後の砦、改札ゲートをくぐり抜けようとしたその時!

ピンポーン!
エキカカリインニ、オシラセクダサイ
エキカカリインニ、オシラセクダサイ

こだまする電子音声。
鳴らない電話、消えた花嫁・・・

？！

エキカ・カリインニ、、、、ださい?
ハテ?


私「小田原からなんすけど、PASMOじゃ出られないのですか?」
駅員「おみゃーさん、スモって何だぎゃ？」


工ｴｴｪｪ(´д｀)ｪｪｴｴ工

そうなのです、首都圏では電車に乗るのに、
PASMO(私鉄のICカード)もSUICA(JRのICカード)も差はありませんが
名古屋じゃ、私鉄のICカード乗車券は未整備、
来年2011年2月に 「manaca」 という名称でデビュー予定な
マナカマダカな状態だったのです。
マナカナじゃないよ。

さらに、困ったことに。
乗車前に往復分の運賃１万2千円を全額PASMOにチャージしてしまった為、
手持ちの現金が全然足りず、事情を話して外に出してもらい
ATMでお金を調達して来る羽目、というか辱めに。

だけどさぁ、SUICAが使えるんだから、別にいいじゃんね。
っていうか、JR東海職員に認知すらされていないとは・・・

PASMO、使えない子!! (亜弓さん風に)