Middle Tempo Magic

堺雅人は自殺願望の売れない劇団員、サクライ。
香川照之は記憶喪失の殺し屋、コンドウ。

ひょんなことから二人の人生が入れ替わってしまい
軟弱ダメ男のサクライはコンドウの抱える物騒なお仕事に巻き込まれちゃうし
コンドウは持ち前の生真面目さで努力して役者として芽が出始め
広末涼子の扮する婚活中の超絶几帳面女編集長ミズシマさんと恋に落ちてしまう。

のっけから可笑しくて笑いの連続で、ヤクザに追い込まれて大ピンチな展開も、コミカルに鮮やかにクリアかと思いきや、世の中そんなに甘くなく大どんでん返しの連続の、緊張感溢れる展開なんだけど微笑ましくて、胸がキュンキュンしてしまう展開の、ノンストップコメディサスペンスラブコメディな、会場の皆さんも大満足な展開！　って展開言い過ぎて舌噛みそう。

昨日のカツカレーじゃないけど二人の演技派俳優の見事なコラボレーションが絶妙。
人生のつらいことを笑いに変えるポジティブなエネルギーに溢れてて
私の好きなタイプの映画でした。

それにしても、香川照之が乗るクライスラー300C(と公式サイトに書いてあった)がかっこいいなあ。
ああいうクルマが似合うには、一部の隙もない状態でないといけませんし。
もう、身の回りの調度品も全てよくわかんないけど高そう。
今やクルマがステータスの時代なんてとうに過ぎ去ってますけど
泣く子も黙るって感じの威圧感がありますね。

でも、オカネモチカーでイチバン好きなのはベントレーのContinental GTかな。
(どちらも殺し屋が乗るにはいささか目立ち過ぎますけどね・・・)

広末涼子ってあまり好きじゃないのだけど、ちょっと好感度が上がったかも。
「11人もいる」でも思ったのだけど、本作品でもいい味出ている。
単にはまり役だったのかわかんないけど、意外といい役者さんなのではないだろうか、と。

以下、若干ネタバレで、疑問点。





最後の佳苗がコンドウのノートを見たシーン。
桜井の好きなものに×印がしてあり、佳苗の名前に○がしてありましたよね。
あれはコンドウの記憶が戻った後に×をしたのかと思ったのですが、
よく考えたら、記憶が戻ってから一度も、彼があのノートに触れる機会はなかったし
わざわざノートに書き込む必要性もないんですよね。
じゃあ、記憶を戻る前に書き込んだとすれば、あの×はどういう意味なのでしょう？？？