Middle Tempo Magic
人混みの中に埋もれ埋もれ
カルテット/藁の盾
映画を観たので2つまとめて。
ダスティン・ホフマン初監督作品の「カルテット!」と、三池高史監督で大沢たかお主演の「藁の盾」。
イマサラ感も満載ですが忘れないうちに思ったことを。
なお、断っておくと、映画のレビューではなく例によって掃き溜めで、鶴はいませんあしからず。
【Youtube】 映画 「カルテット!人生のオペラハウス」 予告編
【Youtube】 藁の盾 予告編
ダスティン・ホフマン初監督作品の「カルテット!」と、三池高史監督で大沢たかお主演の「藁の盾」。
イマサラ感も満載ですが忘れないうちに思ったことを。
なお、断っておくと、映画のレビューではなく例によって掃き溜めで、鶴はいませんあしからず。
【Youtube】 映画 「カルテット!人生のオペラハウス」 予告編
【Youtube】 藁の盾 予告編
◆◆◆◆◇
最初に「カルテット」から。
GWに子供連れで賑わう映画館で唯一「夫婦60割」の利用率が圧倒的に高そうなスクリーンで、内容も比較的シニア向け。
正直、家族サービスで・・・と重い腰を上げて観にいったのですが、結果的に、観たい観たいと連呼した母に素直に感謝する形になった、派手さはないけど、大変幸福感に溢れる佳い作品だと思いました。
登場人物も実は俳優さんではなくて、音楽界で活躍した本当のマエストロ達で、聴き応えも十分ですね。
年老いた音楽家(ここでは主にクラッシックのオケとかミュージカルの人達)が集う老人ホームを舞台に繰り広げられる、文字通り、愛と感動のラブコメディー。
そうなんです。
青春はいくつになってもいいんです。
最後まで仲間や家族に囲まれて謳歌する人生の素晴らしきことかな。
というのがテーマなのかなんなのかはわかりませんが、私がツボったのはまた少し違うところ。
主人公のじーさんとばーさんはかつて英国を代表する元オペラスターで、二人はホームでうん十年ぶりに再会するのだけど、実は、確執を抱えた元夫婦。
特に、ばーさんの方はというと、数々の浮名で世を賑わしたスキャンダラス美女でもある。
(ま、それが災いして二人の結婚生活はあっという間に終焉を迎えてしまったわけですが)
ばーさんはもう何十年も歌ってない。
若く美しく名声を欲しいままにした栄光の時代、アノコロのまばゆい光が忘れられず、醜く年老いた今の自分の姿から目を背け続け、昔のLP盤ばかり聴いて過ごしていたのです。
そして終わってしまった2人の関係にも。
じーさんはじーさんで、老後は音楽学校で教えたり、老人ホームで仲間と歌ったりと、一見楽しく生きてきたのだけど、逃げていた。
もう、別れた妻が忘れないくせに、うじうじ本心を隠し続けて、彼女からもう絶望的までに逃げてました。
そんな二人が再会。
必然のゴタゴタも、仲間たちのやや強引な後押しもあって乗り越えて二人と、そして四天王と呼ばれた(イギリスじゃ言わないか)盟友達の奇跡の歌声が再び重なります。
結局、どんなことにしろ、逃げて萎縮して殻に閉じこもっていても不幸なだけで、挑戦し続けてやりたいことをせいいっぱいやってこその楽しい人生なのだなあと。
特に人間関係。
自分は人間関係ってものをうまく保つのが苦手だったりで。
距離が離れていれば外面よくしていられるのだけど、近しくなると全然です。
人と一緒にいるのが苦痛、だけど、かまってちゃんで寂しがりなので、ある程度のコミュニティに属してはいたい。
とかいいつつ、ブログなんかやって、本心は自己顕示欲丸出しな矮小な人間性が見え隠れする。
人と関わるってことは、そのぶん自分をさらけ出すということで、人嫌いがどうとか言ってるけど、臆病で逃げてるだけなんあろうなあ、と思ったとか思わなかったとか、そんなこと書いているたまごサンっていう人格自体がbotなんじゃないかとか。
と、よくよく考えたら内面的で重たいテーマも含んでいたりするのだけど、劇中で「ラッパーもオペラも同じで、いちいち歌う。特に悲しみや痛みは、そのまま言葉には出せないからこそ、感情のままではなくて、その感情を殺してライムに乗せて歌うんだぜ」的なくだりがあるのだけど、そのとおりオペラ的な演出がふんだんで、終始和やかでリズミカルで楽しげでした。
◆◆◆◆◇
次に「藁の盾」ですが。
これは酷い・・・。
常習性の幼女暴行殺人犯の命に莫大な懸賞金が掛けられ、逮捕後の移送に際してもSPがつくというおかしな状況になってしまい、その職務を全うするために命をかけるSPの矛盾との葛藤を描くというストーリー。
予告編を観て、テーマは面白そうだったので期待していたのに、悪い意味で裏切られました。
武装警官の大編隊で護送するも、居場所がバレバレなのでトチ狂った一般人に襲撃されるとか、護衛の警官が裏切って襲ってくるとか、穴は計画段階でわかりきってるのに、それが実行されるのは不自然過ぎます。
その後も、散々、一般人やら警察官やらの尊い犠牲を払った挙句、最後は見事に職務を全うして、犯人を生かしたまま移送成功させましたとさ、パチパチパチ・・・って一体?
数々の「命の天秤」的なテーゼが提示されるも、それを論じる良い機会は一つも生かされることがなく、観客に意義ある何かを考えさせるのではなく、異議ある何かを押し付けるだけでした。
いかにも、俺の目の付け所、シャープだろ?(チラッ、チラッ) といわせんばかりに、罠にひっかかる愚かな姿を演出したいが為の都合の良い罠という態をなしていて、驚きも糞もないどころか、逆にこれを採用した度胸に感嘆せざるを得ないほど。
他にも粋がる若手刑事の演技が下手過ぎて、内部に募る不信感を演出するどころか、店員に威張るDQNをみるような恥ずかしさを覚えてしまうとか、アクションはたくさんあるのに、見所は一つもないとか、つまらない以前に、とにかく何がしたいのかわかりませんでした。
正直、こんな稚拙な作品をカンヌで上映してしまったのかと、2時間の内に何度恥ずかしく思ったかわからない、という感想。
誓って、批評家気取りの揚げ足取りでこんなことを言うのではないです。
上映後、後ろの女子が「超面白かった~」「リアル~」と言っていたので、私の感覚がずれているのかもしれないけどね。
でも、私の知る限り、入社したてのヒヨッコSEでもこんなにリアリティのないシナリオは書かないし、幼稚な演出は求めないと思うよ。
最初に「カルテット」から。
GWに子供連れで賑わう映画館で唯一「夫婦60割」の利用率が圧倒的に高そうなスクリーンで、内容も比較的シニア向け。
正直、家族サービスで・・・と重い腰を上げて観にいったのですが、結果的に、観たい観たいと連呼した母に素直に感謝する形になった、派手さはないけど、大変幸福感に溢れる佳い作品だと思いました。
登場人物も実は俳優さんではなくて、音楽界で活躍した本当のマエストロ達で、聴き応えも十分ですね。
年老いた音楽家(ここでは主にクラッシックのオケとかミュージカルの人達)が集う老人ホームを舞台に繰り広げられる、文字通り、愛と感動のラブコメディー。
そうなんです。
青春はいくつになってもいいんです。
最後まで仲間や家族に囲まれて謳歌する人生の素晴らしきことかな。
というのがテーマなのかなんなのかはわかりませんが、私がツボったのはまた少し違うところ。
主人公のじーさんとばーさんはかつて英国を代表する元オペラスターで、二人はホームでうん十年ぶりに再会するのだけど、実は、確執を抱えた元夫婦。
特に、ばーさんの方はというと、数々の浮名で世を賑わしたスキャンダラス美女でもある。
(ま、それが災いして二人の結婚生活はあっという間に終焉を迎えてしまったわけですが)
ばーさんはもう何十年も歌ってない。
若く美しく名声を欲しいままにした栄光の時代、アノコロのまばゆい光が忘れられず、醜く年老いた今の自分の姿から目を背け続け、昔のLP盤ばかり聴いて過ごしていたのです。
そして終わってしまった2人の関係にも。
じーさんはじーさんで、老後は音楽学校で教えたり、老人ホームで仲間と歌ったりと、一見楽しく生きてきたのだけど、逃げていた。
もう、別れた妻が忘れないくせに、うじうじ本心を隠し続けて、彼女からもう絶望的までに逃げてました。
そんな二人が再会。
必然のゴタゴタも、仲間たちのやや強引な後押しもあって乗り越えて二人と、そして四天王と呼ばれた(イギリスじゃ言わないか)盟友達の奇跡の歌声が再び重なります。
結局、どんなことにしろ、逃げて萎縮して殻に閉じこもっていても不幸なだけで、挑戦し続けてやりたいことをせいいっぱいやってこその楽しい人生なのだなあと。
特に人間関係。
自分は人間関係ってものをうまく保つのが苦手だったりで。
距離が離れていれば外面よくしていられるのだけど、近しくなると全然です。
人と一緒にいるのが苦痛、だけど、かまってちゃんで寂しがりなので、ある程度のコミュニティに属してはいたい。
とかいいつつ、ブログなんかやって、本心は自己顕示欲丸出しな矮小な人間性が見え隠れする。
人と関わるってことは、そのぶん自分をさらけ出すということで、人嫌いがどうとか言ってるけど、臆病で逃げてるだけなんあろうなあ、と思ったとか思わなかったとか、そんなこと書いているたまごサンっていう人格自体がbotなんじゃないかとか。
と、よくよく考えたら内面的で重たいテーマも含んでいたりするのだけど、劇中で「ラッパーもオペラも同じで、いちいち歌う。特に悲しみや痛みは、そのまま言葉には出せないからこそ、感情のままではなくて、その感情を殺してライムに乗せて歌うんだぜ」的なくだりがあるのだけど、そのとおりオペラ的な演出がふんだんで、終始和やかでリズミカルで楽しげでした。
◆◆◆◆◇
次に「藁の盾」ですが。
これは酷い・・・。
常習性の幼女暴行殺人犯の命に莫大な懸賞金が掛けられ、逮捕後の移送に際してもSPがつくというおかしな状況になってしまい、その職務を全うするために命をかけるSPの矛盾との葛藤を描くというストーリー。
予告編を観て、テーマは面白そうだったので期待していたのに、悪い意味で裏切られました。
武装警官の大編隊で護送するも、居場所がバレバレなのでトチ狂った一般人に襲撃されるとか、護衛の警官が裏切って襲ってくるとか、穴は計画段階でわかりきってるのに、それが実行されるのは不自然過ぎます。
その後も、散々、一般人やら警察官やらの尊い犠牲を払った挙句、最後は見事に職務を全うして、犯人を生かしたまま移送成功させましたとさ、パチパチパチ・・・って一体?
数々の「命の天秤」的なテーゼが提示されるも、それを論じる良い機会は一つも生かされることがなく、観客に意義ある何かを考えさせるのではなく、異議ある何かを押し付けるだけでした。
いかにも、俺の目の付け所、シャープだろ?(チラッ、チラッ) といわせんばかりに、罠にひっかかる愚かな姿を演出したいが為の都合の良い罠という態をなしていて、驚きも糞もないどころか、逆にこれを採用した度胸に感嘆せざるを得ないほど。
他にも粋がる若手刑事の演技が下手過ぎて、内部に募る不信感を演出するどころか、店員に威張るDQNをみるような恥ずかしさを覚えてしまうとか、アクションはたくさんあるのに、見所は一つもないとか、つまらない以前に、とにかく何がしたいのかわかりませんでした。
正直、こんな稚拙な作品をカンヌで上映してしまったのかと、2時間の内に何度恥ずかしく思ったかわからない、という感想。
誓って、批評家気取りの揚げ足取りでこんなことを言うのではないです。
上映後、後ろの女子が「超面白かった~」「リアル~」と言っていたので、私の感覚がずれているのかもしれないけどね。
でも、私の知る限り、入社したてのヒヨッコSEでもこんなにリアリティのないシナリオは書かないし、幼稚な演出は求めないと思うよ。
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カルテット/藁の盾
「カルテット!」は母とみにいきたいな~と思っていた映画で、
スケジュール的に厳しいけど何とか見たくなりました!
この年になってかっこわるいとかもう無理とかそんなの勿体ないんですよね。
他人にどう思われようが、どう評価しようが楽しんだもん勝ちです。
自分はキモオタかまってチャンでもいいとおもってる!(←ダメ!
スケジュール的に厳しいけど何とか見たくなりました!
この年になってかっこわるいとかもう無理とかそんなの勿体ないんですよね。
他人にどう思われようが、どう評価しようが楽しんだもん勝ちです。
自分はキモオタかまってチャンでもいいとおもってる!(←ダメ!
- かじか
- 2013/05/30(Thu)23:08:23
- 編集
Re:カルテット/藁の盾
おおっ、上映している映画館が少ないので観にいくのもちと大変ですよね。
派手さはないけどよい作品ですので、ぜひお母さんと観にいってください。
>自分はキモオタかまってチャンでもいいとおもってる!(←ダメ!
ダメダメッ><
いつまでも綺麗なかじかさんでいてください(笑)
派手さはないけどよい作品ですので、ぜひお母さんと観にいってください。
>自分はキモオタかまってチャンでもいいとおもってる!(←ダメ!
ダメダメッ><
いつまでも綺麗なかじかさんでいてください(笑)
- たまご
- 2013/05/31 22:16
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お問い合わせは wanito.kagekisuあっとgmail.com まで
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