Middle Tempo Magic

基本的に、黄色の人を主役にして、全盛期の彼と台頭し始めた若手勢力との対決を描く、という構成。
もちろん大ファンなので嬉しいし、色々なエピソードが見られて面白いのですが、期待した内容とは少し違っていたかなあ。
もっと他のライダーの側面を見たかったというのが正直なところ。

また、富樫ヨーコの本の如く、時系列がけっこうメチャメチャ、話題が飛び飛びなので、一戦一戦を事細かに覚えているディープなファンなら問題ないのでしょうけど、私みたいな不信心者には、観ていて混乱することもしばしば・・・。
そんなこんなで、散漫な印象も受けてしまって、ドキュメンタリーに熱くなるというよりは、名バトルシーン集と、湾岸ミッドナイトばりの語りに萌える映画、といったところかしら。
(でもロッシ中心にすることで、散漫な構成がとりあえずまとまったともいえるのかな？)

と、くどくど書きましたが、なんだかんだで楽しめました。

特に冒頭のロッシとロレンソの、2009年カタルニアGPの一騎打ちは、GPファンの間ではすっかり語り草ですが、何度見ても引き込まれてしまう。
単なるかけっこの域を超えて、ライダーが、バイクが、っていうよりも、レースという名の龍がコース中をうねり狂うかのよう。
戦いの女神とはなんと有機的で美しく激しい物語を描くのだろうか！
と、ついついキモイ語りもしたくなってしまおうというものだ。

それにしても、普段の中継では観客席ぐらいしか映らないからよく知らなかったけど、ヨーロッパのファンは熱いなあ。
こうやって大陸のGPサーカスの様子を見ると、日本GPだけやっぱり雰囲気が違う。
街中がお祭りになって盛り上がってないよねえ、と。
ま、日本でバイクは全然人気ないし、茂木の観客席とコースの距離がやたら離れてるし、街なんてないしね・・・。

そんなわけで、私も早く新機材でレッドブルいらずの沸点突破な動画が撮りたいなっと。
(なかなか休みと天気と練習走行日が噛み合わないんですよね・・・梅雨だし)