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硝子のハンマー

今年の2冊目は。
黒い家、悪の教典・・・とエッジの利いた暴力描写というか
コロシに情状酌量がない作風が印象的な貴志祐介センセイの
ウルトラCの密室トリックなミステリー「硝子のハンマー」。




あらすじはこんな感じ。

20xx年の2月某日。
某天下り団体に派遣されてしまったプログラマのTは頭を悩ましていた。
納期も押し迫ったこの時期に某外注先(所謂二次下受けとも言う)のSEのA氏から
こんな相談を持ちかけられたのだ。

A「この処理で問題が発生することが判明しました。制限事項としていいですか。
かなり調べましたが、OSの仕様なので、これを回避する方法は『ありません!』」

T「え? でも前に作った別のアプリでは同じことが問題なく出来ましたケド?」

Tは以前に自分で作ったプログラムの動作を確認してみたところ
やはり似たような機能が問題なく実現出来ている。
が、必要部分だけ抜き出してサンプルプログラムを作ってみるとなんと
Aが言うような問題が起きてしまったのだ!
一体、どういうことだろう???

改めてコードを追うと、元々のコードには、潜在的なバグがあり
本来全く不要な処理をしてしまっている。
しかし必要部分だけを抜き出したサンプルコードでは、そのバグがない・・・。
さらに調べたところ、これこそが問題解決のカギだということが判明した。

くだんの処理をするとOSがさせまいと介入して問題が発生するのだが
この紛れ込んだバグのある本来全く余分な処理にOSの目を向けさせ
やりたかったことを邪魔されるのを防止することが出来るのだ。
トリックの基本の「ミスリード」である。

これは事故のように巧妙に仕組まれた密室犯罪なのか?
それとも巧妙に仕組まれた犯罪のように見えて実は偶然なのか?
果たして密室で使用された見えない凶器「硝子のハンマー」とは?




冒頭で述べたように、貴志先生はちょっとバイオレンスなイメージでしたが
今回の硝子のハンマーは、美人若手弁護士と変人の凄腕セキュリティコンサルタント
(本職は変人の凄腕弁護士!じゃなくて現役の泥棒)
という珍妙なコンビが主人公でなんだか土曜ワイド劇場な軽快な雰囲気も。

次々と予想を裏切るあっと言わせる展開や、止め処なく溢れるセキュリティの知識など
退屈させない展開で楽しかったです。

が、筆者自身も後書きで述べているように、トリックありきの話だったのが
やはり強引だと感じたのと、殺された社長が殺される必然性が理解できないのが
突っ込みどころというか、正直、残念だったかな・・・。
そこ以外は面白いと思ったんだけど。
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