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ヒトリシズカ

ぶらっと駅の本屋に立ち寄ったら置いてあった。
というわけで、めっぽうファンな誉田哲也の新刊ヒトリシズカです。

20120609.jpg
発砲事件の通報を受けて現場に駆けた警官が目にしたのは
かつての恩師の一人娘が、銃で撃たれたもののまだ息のあった
少女売春の容疑者の男にとどめをさしているという「現場」だった。

そこで警官としての道徳よりも、恩師への忠義心から
彼は彼女を庇い、逃がしてしまう。

検死報告に不審な点は残るものの、すぐに銃を撃った犯人が逮捕され
通常の殺人事件として処理されるが、事件は終わっていなかった。

売春の被害者だと思っていた彼女が実は、以前から失踪していたというのだ・・・!
シズカよ、君は何者なんだ?

というお話。


◆◆◆◆◇

かつて誉田哲也のことを「キャラ萌え作家」と博したことがある。

そんだけ感情移入しやすくてキャッチーなキャラクター作りが魅力的だった。
特に若い女性主人公の場合は、かわいくて強気で元気だけど繊細な子が多く
それでいて話はめっぽうバイオレンスだったりエッチかったりするので
男性読者の心をくすぐること間違いなし。
なんていうか、少年・青年漫画雑誌的な?というか。
なので正直、女性受けはどうかちょっとわからないけど。

そういう意味で言うと、今回のヒトリシズカなシズカちゃんは
しっかり誉田哲也の主人公路線を引き継いではいるんだけど
実は彼女が登場する部分は少ないので、キャラで引っ張れない。

ストーリーは十分にぐいぐいと引っ張る力はあるんだけど
ミステリー的な新鮮な驚きが楽しめるのは主に序盤で
途中からは、まあ、こうなったら後はこういう方向だろうなあという気もしてしまった。
特に終盤は、これはないだろうと思わざるを得ない尻切れ感。
それでも、飽きずに最後までおいしくいただきましたが。

骨格とでもいうのかな、漫画とか映像作品の原作としては十分に面白いんだけど
誉田センセイも、もうベテランと言ってもいい方だと思うので
もう少し深みというか作りこみが欲しいなあと思う一冊でした。
例えば宮部みゆきのようにもっと背景とかディティールに踏み込んでうならせて欲しかったな、と。
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