Middle Tempo Magic

わんこつけ麺とは、その名の通り
「わんこそば＋つけ麺 」
という食べ物(のシステム)の名前である。

すなわち、つけ麺の麺のおかわり自由。
おなかいっぱい、夢いっぱいってやつです。

そんな嬉しいメニューをはじめたのは
吉祥寺の「ごくラーメン」というラーメン屋さん。

おかわりの最高記録は12玉で4玉以上からはポラロイドを掲載。
お食事券の贈呈もあるとかないとか。
そんな記事を雑誌を立ち読みしてたら、うっかり見つけてしまって。

はぁ？ 4玉とか余裕だしぃ？

と、お客さんのところに行った帰りに同僚を連れて
早速挑戦しに、いや、成敗しに行ってみたのです。

最近はしょんぼりな事が多い毎日だけど、
そんな私のハートに久々に火をつけた罪は重いですよ。
(うわぁ、キモイ)

さてさて。

最初に出てきた1玉目をさらりと食べて
ペース良く、2玉、3玉とお代わり。
さて、4玉目も軽く頂いてしまいましょうか
というところで問題が・・・。

つけ汁の残量がわずかなのだ。

これじゃ、とても4玉目を食いらげるには
至らないであろう事は明白。
が、12玉も食べている輩がいるぐらいだから
つけ汁のお代わりも出来るのだろう、きっと。
まさか、そこにある醤油つけて食えとか言わないよね？


「つけ汁のお代わりや追加注文は出来ません。
そこにある醤油を付けて食べてクダサイ」


って、そのまさかですかい！
店員はあくまでも恭しく・・・。

まあ、食べ放題の裏にこんなカラクリがあっても仕方がないのか。
それを、お醤油で12玉も食べていく強者がいるとは
お店の方も完全に想定外だったんでしょうねえ。

自分は、自分は・・・。
お代わりできるからって、醤油で食べる気はさすがにしない。
そんなわけで、あえなく替え玉3玉目で返り討ちに。


帰り道、某進学予備校のポスターが目に入った。

「なりたい自分に向かって挑戦し続ける」

みたいなキャッチコピー。

嗚呼。
12玉食べたっていう人は、夢とかプライドを選んだのか。
プライドの為にプライドを捨ててしまったのか。
ただただ、飽くなき闘争心(食欲)の思うが侭に突き進んだだけなのか。

テンション上げに行ったはずのラーメン屋が
気が付けば「ナリタイジブン」って何？
みたいな気持ちにさせられてわけがわかんない
男二人、三十の夏でした。