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ボディ・アンド・ソウル

ちょい前の話になるけど、古川日出男の 「ボディ・アンド・ソウル」 を読みました。

これは2003年の作品だけど、ほんと、古川日出男って
書けば書くほどつかみどころがない作家さんだなあと思わされてしまう。
それでいて、強烈で、独特で、自由で、360度どっから見ても
やっぱり古川日出男臭がする。
そう、強烈な臭い。ケモノみたいな。

古川日出男が綴る言葉は、本当にリズムが良くて気持ちがいい。
音読したい。音読したい、声に出して読みたいぞ、という気にさせる。
言葉が、音として、生命として生きているっていうのかなあ。
フィジカルに、膂力に溢れてるなあって思う。膂力だよ。
そんな言葉、普段ナカナカ使う機会ないじゃないですか。


本作品は、小説というか、作家古川日出男の随筆的な
自由散文みたいな立ち位置の作品です。

でも、この自由奔放なフルカワヒデオなる人物は、実在する人物なのか?
古川日出男という作家の作品に出てくる、古川日出男という名前の作家?
という、相変わらずの、不思議の国のアリス状態になってしまう。

要するに、本作品に多数登場する「メタ小説」なる言葉が、
要するにそもそも、この作品自体がメタ小説なわけで・・・
という罠にはまってるんですね。

例えば僕はここで死んだふりをしてみる。

そんな突拍子もない1行目から始まるこの物語は
いきなり魂と肉体をサヨウナラしてみるところから語り出して
「低音世界」で物語りは語り続けられる。

なぜ君は物語らねばならないのか?

数度にわたり問いかけられるこの疑問。
何故物語るのか?
ソモソモ、言葉は何故物語られ、物語は何故物語られえるのでしょう?

あれ? 物語を物語るために言葉がある?
それとも、言葉が、言葉達が物語りたがってるんでしょうか。
魂が肉体と別で、精神を象るのがタマシイなら、肉体は?
それなら生と死なんて、どんな意味があるのかしら。

と、よくわかんなくなってきてしまう。
もしかしたら、そんな風に考え込んじゃう、難しい話じゃないのかも。
一人歩き。

でもね、なんか生き物みたいなんです。
言葉達が、命を持って一人で動き回って、私に吸い取られて、体の一部になっていくような。
そんな不思議な体験なんですよね。

うーん、流石です。
ところで、何故流れる石と書いてサスガと読むんでしょうね?
知っている人がいたら教えて下さい。
この物語の疑問も。

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