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1Q84

Yondaちゃんでおなじみ夏の新潮文庫から待ちに待った文庫版が登場。
村上春樹の「1Q84」、イチキューハチヨンと読みます。

何気に初村上春樹かもしれない、いや、記憶にないだけだろうか。

やってきたのは猫の街。
そこはもう元の1984年ではない、不思議な世界。
天吾、青豆、ふかえり、タマル、牛河、二つの月。
それぞれの物語は語られ、交錯し、本当の現実となる。
いや、そもそも現実って一体?

どんな話なんだろうかと前情報をシャットダウンして読み始めてみれば
予想に反して、不思議の国のアリスのような宮沢賢治のような、ちょいとファンタジー。

・・・の体をした、私の好きな The World is Mine 系なお話でした。
といっても、くるりの曲とか漫画の名前ではありません。
私の中で勝手に定義したジャンル、思想。

独りよがりな持論ですが、世界はね、自分が見たもの感じたものが現実だと思うのです。
見えないものは信じないということじゃなくて、どんなことも、感じ方次第だということ。
己の存在さえも、我思う、故に我在り。

世界は変わらない。
見え方が変わったとしたら、それは自分が変わったということ。

違う言い方をすれば、物事には必ず裏と表があって光と影があり
善とか悪とか、正解とか不正解とかないのです。
逆境はチャンスかもしれないし、善行は独りよがりかもしれないし、時に悪事は救いになる。
どんな行為もどんな状況も、考え方次第で見える姿は変わってくる。
そして、そんな世界を知覚する自分自身を変えるには、本当に勇気がいるよね、と。

なんか、話が逸れた。
この作品、私はとても好きだなと思いました。
ともかくも、まず、日本語が美しい。

声に出して読みたい、朗読したい!(同じ意味だ)
と今まで強く思ったのは、池波正太郎、古川日出男の2人だけだったけど
村上春樹は文句なしのランクインじゃなかろうか。

なんとなく彼のイメージとして持っていた、知識ひけらかしみたいな下りや
大胆な性的描写も多く見られたのだけど、鼻につくような感じもなく、
実は村上秀樹フリークだという古川日出男が膂力溢れる野生的でダイナミックな文体だとしたら
村上秀樹はもっとインテリっぽい、間接照明のお部屋のように、とてもスタイリッシュだなあと。
でも弱弱しくない、なんというか語り口は穏やかなのに染み込むのだ、脳の奥深まで。

ちなみに登場人物ではタマルさんがイチバン好きです。
私は無駄口が多くてダラダラ何言ってるかわかんないタイプだけど
彼は口数は少ないのに、その言葉はシンプルかつ細部まで緻密で的確だ。
そして無慈悲で慈悲深い。
そう、彼の仕事のように。

牛河。我慢強い。
自分が役者だったら、彼の役が演じていて一番面白いかもしれないなあとか。
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