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モリタートの調べ

貴志裕介センセイの人気作品「悪の経典」を読みました。

貴志祐介といえば、夏に読んだサイコホラーサスペンス黒い家」の
あまりの不気味さと生々しさに、全身が粟立ったのが記憶に新しい。
(作品自体は古いですけどね)

んでもって、今回の「悪の経典」。
共感性が著しく欠如したサイコパスの知能犯が殺して殺して殺しまくる大問題作。
しかも、そいつが高校の人気イケメンサワヤカ英語教師の
仮面をかぶっているんだから、たちが悪い。

でも、「犯人」の蓮見聖司は「主人公」で不思議な魅力を兼ね備えているんですよね。
彼が絶対的な悪であることは間違いないのに、
通常の人のココロの働きが生まれつき欠如しているが故に
それを自身では微塵も理解することが出来ない。
そんなダークヒーロー的な哀しき運命を背負った、憐れさが成せる技なのか。

いやいや、全ての欲望を思うがままに出来るだけの大金(つまり力だ)を手にした時、
人間の本質が見える・・・というのは、どこの誰の台詞だったか忘れたけど
所在のアヤフヤな共通善こそ詭弁であり、臆病さやタテマエを排除した蓮見は
我々の本音の代弁者なのではないか? とか深読みさせられることもしばしば。

読んでいると、時折、さらっと自然に綴られるトンデモ思考にゾッとさせられるのだけど
序盤、蓮見の正体が明らかにされない段階で、一部のセンシティブな登場人物のみが
蓮見に抱く理由の分からない違和感と恐怖心を、うまく演出しているのかなあとか、
相変わらずの文章の巧みさは鮮やかで舌を巻く。

まあ、著しく暴力的、性的にも暴力的で厨二病丸全開
(これも計算ずくなんだろうけど)の内容には
全国のお母さんとかアグネスが異議を唱えそうではあるけど
ちきしょう、とても面白くて一気読みだったぜぃ!

そして、おりしも今秋、伊藤英明主演で映画が公開される模様
先日「鍵泥棒のメソッド」を観にいった時にでっかいポスターが貼ってあって興奮しました。
伊藤英明、カッコイイですね。
(でも、読んでいるときは、何故か、高橋克典の声で再生されてました)

今日も殺人物語大道歌(モリタート)の口笛が校舎に響く。

OK. Everyone!
Let's begin "Lesson of the evil..."

aku.jpg
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