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男たちよ!

タマシイを。
魂をぐらぐらと揺さぶる熱い二人の男達と出会いました。

海軍パイロットのエースとして活躍した坂井三郎。
バイクの世界を変えた神の手、ポップ吉村。

20080513_00.jpg

坂井三郎著 「大空のサムライ」


20080513_01.JPG

富樫ヨーコ著 「ポップ吉村の伝説」


生きろ! 生きろ! 生きろ!
諦めるな!

バイクと飛行機。
土俵は異なれど、世界を相手に闘い抜き、生き延びた
二人のサムライから届いた熱いメッセージは一緒だったように思う。
(戦争を生き抜いた飛行機乗りという共通点はあるけどね)
以下、例によって長文注意です(笑)

坂井三郎(1916-2000)は、太平洋戦争で活躍した零戦の名パイロット。
戦後は、自らの戦争体験を元にした本を多く執筆され
本作「大空のサムライ」は世界的ベストセラーとなったそうな。

太平洋戦争関連の、それも零戦の話となると、
かの神風特攻隊を思い出す人が多いと思ういますが、
実際、鹿児島の知覧の特攻部隊のように
戦争が生んだ悲劇、狂気としか言いようが無いエピソードは
枚挙に暇がありません。

この作品は、零戦乗りとして戦争を生き抜いた彼の戦記なんですが
意外にも、私が抱いていた零戦の、戦争のイメージとはちょっと違ってました。

思いの外、マトモだったんですね・・・。

当時のアメリカ人のみならず、今を生きる日本人である自分から見ても
祖国が一億総国民、みんながみな、狂っていたのかと思えば
普通に人間っぽく、熱く、聡明な若者達だったのだ。

不謹慎かもしれないけど、ワクワクして読んだ。
ホント一気に読みました。

戦争の悲惨さとかを描いた反戦のメッセージとは主題が別なのです。
激動の時代を戦い抜いた青年のリアルな生の記録なんです。

数々の死闘、試練に立ち向かい
仕事においては己の技術とプライドを賭け
仲間と共に、語らい、笑い、泣く。

こう書いちゃうと、何だクセーなジャンプかよ
って感じだけど、とてつもない濃さと密度だったのです。

無常、とでもいうのかな?
戦争とはこういうものか・・・。
多くの仲間を亡くし、自らも多くの人を殺す事になった
坂井が見た戦争というものに対する複雑な気持ちも語られている。

けど、本作を通じて私が一番感じたのはとにかく
「生きる」という事への、そして「自分の仕事」への
彼からの叱咤激励のメッセージだったと思うのです。


そして。

ポップ吉村こと吉村秀雄(1922~1995)。
バイク乗りなら、その名を知らない人はいないでしょう。
プロジェクトXでも取り上げられていましたね。

ピンと来ない方には、世界で初めて集合管マフラーを作った人、
今や当たり前のバイクの「クヮーン!!」っていう
甲高いエギゾーストノートの生みの親といえば早いかしら。

リプレイスマフラーの代名詞「ヨシムラ」の創始者。
まだチューニングの概念すらなかった頃から
大企業ホンダに挑み、アメリカに挑み、栄冠を手にした小さな町工場の職人。
世界中のバイクファンから「おやじ」と親しまれ、
(「ポップ」は英語で「おやじ」って意味)
馬力に魅入られたチューニングの鬼、勝負師、火の玉オヤジ。
私も前に乗っていたBanditに、憧れのヨシムラのマフラーを付けてましたよ。

ヨシムラのサクセスストーリーぐらいは知ってはいましたが、
今回、吉村秀雄っていう男の生き様について詳しく知る事になって
月並みだけど、ココロを打たれたんですよ。

この人も、坂井三郎と同じく、もの凄い執念の持ち主だった。
奥さんはしょっちゅうホロホロと泣いたっていう漫画のようなガンコ親父。

そんなわけで、ホント冗談みたいな山あり谷ありの道のりを、
本人も、家族も、スタッフの方々も一丸となって
血を吐くような努力をして乗り切り数々の栄光を勝ち取るわけですが
読んでいて、ガンバレ、ガンバレ! って手に汗握って応援してしまう。

「主役だから」じゃなくて「この人だから」って理由で
思わず応援せずにはいられなくなってしまうんですよね。

人を巻き込んで、それでもまだまだ足りないぐらいの熱量がある。
突き動かされるっていうのかあ。
とても私なんかの文章じゃ伝播しきれないよ。

こりゃあもう、GSX-R1000にもヨシムラ管つけたくなってきたなあ。
そんな気にもさせられてしまいましたよ(超単純)。

坂井さんも、吉村さんも、ぜひ手にとって読んでみて下さいな。
ココロが弱った人とか、がんばれって言われるのがしんどいって思った人とか特にさ。
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男たちよ!

坂井三郎氏の著書は小学校の頃から何冊読んだことか。ww
氏の苦境に立たされながら尚、活路を見出す努力と
冷静な判断力には驚かされますよね。"大空の侍"などと
言われると豪傑かと思いきや、まあ気性は荒かったようですけど
作戦行動は慎重かつ豪快。このメリハリが幾多の激戦を戦い抜いた
理由にも思います。多くの腕に覚えのあるエースが空戦で敵を
深追いしたために未帰還となったのに氏は編隊長として
僚機すら失わずに帰還しました。「坂井飛曹長と飛ぶと死なない」
と僚機にはいわれたいた程です。蛮勇を振るうだけでは戦闘に勝てない
氏はそう思っていたのでしょうね。私の父親も帝国海軍予科練に
行っていて航空兵の話は良く聞きましたが総じて海軍軍人は
上級士官以下は現実主義者だったようです。

男たちよ!

>ENOさん
こんばんわであります!
小学生の頃から読んでおられるとは
さすがENOさん、昔からアツイなあと思ってはおりましたが(笑)
私は先日、人に薦められて初めて知ったんですよ。
太平洋戦争の本はちょくちょく読んでましたが
本作のようなのは初めてで新鮮でしたねえ。
ちなみに、薦めてくれた方は坂井さんに
実際にお会いしたことがあるそうですが、
そこで聞いた話では、自慢の2.5の視力で、
昼間の星は本当に見えたそうですよ。スゴイ。
  • たまご
  • 2008/05/16(Fri)00:13:29
  • 編集

男たちよ!

坂井氏のご自宅は我が家からチャリ圏だったんですよね。
ご存命中に飛び込みで会いに行くべきだったと
訃報を聞いたときに心底おもいました。
坂井氏は日本国内より海外の方が有名人なのですよね。
日本で忘れられた”武士道”が海外では敬意をもって
扱われるのは日本人として考えさせられます・・・。

男たちよ!

>ENOさん
日本より外国で有名というのはあるかもしれないですね。
私の周りの同世代の人で知ってる人は皆無でした。
核武装せよとか宣伝カーに乗って
大音量で叫んでいる輩もどうかと思いますが
確かに生ぬるく腑抜けた感じはしますね・・・。
(私を含め)

現代だとその役割を担うのが部活動とか、
リトルリーグのような地域のスポーツクラブでしょうか。
でも、いまや、リアルで
「パパにもぶたれた事ないのに!」
ですからねえ(ーー;

少年野球はスパルタでケツバットは痛かったですが
感謝はすれども恨んだ事なんてないのになあ。
  • たまご
  • 2008/05/16(Fri)20:51:58
  • 編集

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