Middle Tempo Magic
人混みの中に埋もれ埋もれ
便所国道
埼玉県の秩父と山梨県の塩山を結ぶ国道140号線といえば
日本武尊や武田信玄が越えて行ったといわれる日本三大峠「雁坂峠」を
平成10年4月に開通した一般国道山岳トンネル国内最長6625mの
雁坂トンネルが通っていることであまりにも有名です。
関東在住のライダーであれば、誰しもが免許取得前から恋焦がれ
一度はツーリングに訪れた名所であることは疑いの余地がありません。
(え、嘘?んなことない?)
が、しかし!
君は知っているだろうか。
国道140号線が制定されたのは1953年。
たった10年余り前に雁坂トンネルが開通するまでの国道140号線が
こともあろうに、ダート酷道どころか、あらゆる乗り物(鹿を除く)が
通行不能な登山道であったという事実を!
そうなのだ。
ボクを含め雁坂トンネルを通過して国道140号線を走った気になったいるライダー達よ。
真の国道140号の姿を僕たちはまだ知らない・・・。
って、何このポエム?
というわけで、でぃすかばーじゃぱん。
スピードの向こう側ならぬ国道の向こう側をずっと見たくって。
この前の日曜日に雁坂峠に登って来ました。
そこで遭遇した驚きの「アレ」とは・・・。(ずごご)
#お断りしておくと、だらだら記録なのでやたら長いです。
◆◆◆◆◆
最初に地図。
GoogleMapのリンクはこちら
大きな地図で見る
雁坂峠へ至る旧国道140号な登山道の入り口は
雁坂トンネルの山梨県側または埼玉県側の出入り口の横にあります。
ナメラ沢の谷を通って雁坂嶺のあたりまでいきます。
山と高原地図によると、山梨県側の方が若干イージーで所要時間も短いそうなので
今回は大人しく山梨県側からピストンすることにしました。
(山梨県側は登り3時間半、埼玉県側4時間半程度、下りはマイナス1時間程度)
◆◆◆◆◆
午前4時、緊急入院のサンバーの代車のミニカで出発。
ETC付いてないし、タイヤつるつるだし、代車で遠出するのは気が引けます。
5時30分、中央道談合坂SAのスタ丼屋で腹ごしらえ。
なかなか高たんぱくなメニューです。
でも、開いてる店はどこもちょっと高かったなあ・・・。
◆◆◆◆◆
中央道を勝沼ICで降りて、塩山の町を抜け、6時40分、道の駅「みとみ」に到着。
今は山梨市なんて大雑把になってますが、昔はここは三富村だったのですね。
他にも登山客とみられる人がちらほらいました。
こんな看板があるので念のためもってきた熊鈴をつけました・・・。
ストレッチしてコーヒー飲んで7時過ぎに出発。
◆◆◆◆◆
道の駅の向かい側にある、つり場が登り口のようです。
舗装路が続きます。
やがて釣り場に出るのですが、こんなところにも桔梗屋の信玄餅。
ここからは未舗装の山道。
高度は約1100m。
こっから2070mの雁坂峠まで登りますよ。
ここの気温は10度ほどでした。
と山道をしばしあるくと、舗装路に合流し
雁坂トンネルへ向かうでっかい橋に出くわします。
さっきの山道はショートカット路らしい。
アパートみたいな廃屋が登場。
覗くとだだっぴろい広い部屋があってなんだろうと思ったら
雁坂トンネル工事の作業宿舎な模様。
だだっぴろい部屋は事務所かな。
そしてしばらく舗装林道をぐんぐん登っていきます。
分岐が何箇所かありますが、なかなか親切。
登山道となった今もしっかり手が入って道が生きてる証拠ですね。
おおっ、眼下に現れたのは雁坂トンネルの料金所!
しばらく観察してましたが、バイクが次から次へと現れます。
天気もサイコーだったので、ツーリング楽しいだろうなあ。
とか、すっかり舞い上がったテンションがイキナリ駄々下がりします。
というのも、なんだこりゃー?
なんということだ。
料金所が下に見えたと思ったら坂を一気に下って
料金所横の駐車場に出てきてしまった。
どういうこともなにも、改めて山岳地図のガイドをよく読むと
登山口は料金所の横ってふつうに書いてあるじゃん。
バスに乗る場合は道の駅から歩く必要があるけど
クルマで来るならここに停めればよかったんですね。
ここまで40分も無駄に坂道を歩いてしまった・・・。
◆◆◆◆◆
帰りも無駄に歩くのかと考えるとウンザリだけどしかたない。
気を取り直して歩き出したら、そんなガッカリもすぐに吹っ飛んだ。
いやあ、いいねえ。
これぞ(元)3桁国道って感じで胸熱です。
舗装林道をてくてく行くと、彼方に目指す雁坂嶺(だと思う)が見えました。
小一時間ほど歩くと沓切沢橋に到着。
ここでようやく舗装林道が終わり、いよいよ登山道です。
ちなみに、ややこしいけど、橋の名前は沓切沢なのに沓切沢はここではないんだとか。
◆◆◆◆◆
登山道の入り口にはとても大きな木があって、行きも帰りも不思議と魅入ってしまった。
木の表面のごつごつしたこぶと、そこに生えてる苔の野生感がすごい。
おだやかな広葉樹林となだらかな坂道が続きます。
と、ここで急に沢渡りが出現。
とはいえ、斜面にはご丁寧にロープが張ってあるので
坂道を滑らないように注意しとけばなんともない。
ただしガイドマップによると冬場は凍るので注意とのこと。
かろうじて読める農林省時代(~1978年)の看板。
中には完全にのっぺらぼうな子もいましたけど
私が生まれる前からそのまんまってことだから無理もない。
そしてここが本当の沓切沢。
あと2時間の看板がありました。
◆◆◆◆◆
沢を渡ると、再び沢が。
一瞬、どこへ行くのかわからなかったのだけど、向こう岸の赤いテープと
岩に描かれた矢印を見つけて、向こう岸へ。
が、ここで、想定外の事態が発生。
沢を渡ったら、沢沿いに進めばよかったのだけど
何を勘違いしたのか、この水が流れる急斜面を登り始めてしまったのだ。
いやね、山岳地図に「急斜面」「冬場はガレが凍りアイゼン必要」とか描いてあるし
ネットで下調べしたときに、こんな斜面を登るっていう写真を見た気がして
刷り込まれてしまってたんですかねえ。
なんとなく道っぽいし。
気がつけば、遥か下の他の登山客が米粒みたいに・・・。
やがて沢も見えなくなって音だけが遠くで聞こえるような感じに。
もはや道の気配も薄れて、獣道なんだか、なんなんだかワケワカラン。
余裕の45度越えなので写真撮ってるだけで足がプルプルいってます。
でも、何かが通ったあともあるなあなんて思ってると、糞発見!
このコロコロ具合は鹿かしら?
で、登れども登れども道らしいものは見えず
ピンクのテープも見当たらず、どこをどう登ってきたのかもよくわからず。
人が通らないかなあと、耳を澄ますと、ガサガサガサ!
って音がして、大きな鹿が斜面を駆け上がっていきました・・・。
ああ、こりゃあ遭難一歩前だわと、半ば滑落しながら、沢の音を頼りに下ると
沢沿いにピンクのテープを発見して安堵。
アホだ・・・。
◆◆◆◆◆
徐々に沢を離れ、お花畑跡みたいなところを抜けまして。
時々おやつを食べながら。
道は徐々にジグザグの急な上り坂に変化。
井戸沢を越えたあたりからぐぐっと一気に高度があがると、突如視界が開けました。
おお、あれは!
/^o^\フッジッサーン
高度1800mあたりから周りの景色は、谷間の薄暗い広葉樹林から一変。
日当たりのよい尾根沿いに疎らな針葉樹が伸び、足元は低い熊笹が茂ってます。
空が近いぜ!って感じ。
飛行機なんかも大きく見えちゃう感覚に、昨年登った富士山を思い出したり。
上にいくほど人と出会う機会が増えまして。
40人ほどの元気な老人の集団にも遭遇しました。
残りの300mほどは急勾配が続いて息があがりますが、
たびたび現れる富士山の姿に元気付けられえんやこらと。
それにしても、この谷をずっと登ってきたんだなあというのが
よくわかる写真です。
◆◆◆◆◆
そして11時30分、日本三大峠の一つ雁坂峠(2070m)に到着。
迷子になったりそもそも入り口が違っていたせいで予定より1時間も遅れてしまった。
秩父往還の歴史については、写真をクリックして読んでくださいまし。
気になるのは「一般国道140号となった現在は」という記述が残ってるあたり。
以前はここが本当に国道だったんだなあと思うと感慨深い。
◆◆◆◆◆
雁坂峠からさらに40分ほど登ると雁坂嶺ですが、
そっちには行かず、「あるモノ」をお目当てに
秩父方面へ旧140号を下ったところにある雁坂小屋を目指します。
秩父側は山梨側とは景色がうってかわりまして
再びうっそうとした森になります。
10分ほどで雁坂小屋に到着。
ここの秩父~甲斐の連峰には、雲取山やCRMで行った御岳山や大弛峠などが名を連ね。
いつかここも縦走してみたいなあとか。
「と言うか、確かめておりません!」w
しかし「このあたり」ってずいぶんとピンポイントですね。
山小屋は中に入れましたが管理人さんは不在でした。
張り紙を見ると、秩父で民宿を営んでいるらしくちょくちょく下山されるようです。
現在は素泊まりで、代金を箱に入れるシステムみたい。
雁坂小屋のブログもあります。
http://karisakakoya.blogspot.jp/
気温は15度ほど。
でも、日差しが強くて、ブレスサーモの長袖Tシャツ1枚でも汗だくでした。
突然ですが、便所です。
おおおおおおおおおおおおお!
本当に、あったー!
実はですね、わざわざここまでやってきたのは、この便所が見たかった!
というのが、一番の理由だったのですよ。
この便所、ただの便所じゃありません。
どういうことかというと、この便所へ続く道は旧国道140号線。
その道はこうやって便所の中を通って・・・
反対側へ続きます。
そうです。
こともあろうに、雁坂小屋の便所は、旧国道140号の路面に建っている。
逆に言えば、旧国道140号が便所の中を通過している、ということになります。
用を足している背後を人がサワヤカに通り抜ける構造。
国道のくせに登山道なんていうのもハチャメチャですけど
このトイレの生態が持つインパクトがあまりに大きいことから
雁坂トンネルが開通するまで国道140号は
「便所国道」
という異名を取っていたのだとか・・・。
しかしまあスペースがないからってトイレの中を
国道を通過させちゃおうっていう発想が斬新過ぎますよ。
とはいえ、作ろうと思えば場所はあるのに、どーゆー経緯でこうなったのか、気になります。
そんなわけで、トイレ向かってまっしぐら!
時を駆ける少女・・・
じゃなくてトイレを駆けるおっさん2013。
国道のトイレを抜けるとそこは国道でした。
入ってまーす!
雁坂小屋のブログを見るとわかるように
管理人さんは常駐はしてないものの、頻繁に登られているようですね。
トイレのカレンダーも(こんなトイレにカレンダーが?)今月のものですし
掃除も行き届いていてとても綺麗でした。
水は沢から汲んでるようで、たっぷりありました。
持ってきた水が足りなかったので助かったです。
山の暮らしを思わせるシブい品がぶらぶら。
◆◆◆◆◆
と、雁坂小屋、もとい便所国道を堪能したあとは、再び雁坂峠へ。
◆◆◆◆◆
12時45分、雁坂峠へ戻って来ました。
お、お、お、おにぎりが、たべたいんだな!
ふじさんおにぎり食べたいなを実現したの図。
◆◆◆◆◆
おにぎりを食べたらもう13時。
当初の予定では、もうちょっと登って雁坂嶺まで行くはずでしたが
時間がおしていて、往復1時間を費やすのは無理があると思ったので泣く泣く下山。
行きには見かけなかった場所がありました。
ガケを登ったせいで通り過ぎてしまったんですね。(苦笑)
きのこっこ。
この先生きのこれるのか必死だったので写真とってませんが
迷子中になんだこりゃっていう巨大きのこにも遭遇しましたよ。
なんかこっち見てるーー!
鹿さんの親子でした。
彼らは、出会うといつも、なぜじっと見つめて動かないのか不思議です。
既に通行禁止となって久しいはずの林道ですが、シニアな看板も残ってます。
行きに通ったショートカットを通り過ぎてしまったため
スタートとは違う見慣れぬゲートから国道140号に復帰。
15時30分、道の駅にもどってきました。
帰り道、雁坂トンネル料金所からここまで歩くのは本当にうんざりしました。
下り続けてけっこう足にもきてましたし。
それにしても老人の登山客が多いなあ。
◆◆◆◆◆
くたびれたので、元三富村の村営温泉である「笛吹きの湯」に立ち寄り。
露天風呂はかなりぬるいのですが、このぬるさがなんとも言えぬ気持ち良さで
長湯うたたねすること間違いなし。
気がつけば1時間ほどお湯の中でぼんやりしていました。
綺麗で気持ちの良い浴場でした。
タオルカップラーメン?(笑)
右のついたてが露天風呂(女湯もある)なんですけど
どう考えても左側の運動場にあるらせん階段のやぐらから丸見えのような・・・。
いや、もちろん試してはないのですが。
◆◆◆◆◆
中央道はめちゃくちゃ渋滞しているし、ETCがないので高いのもいやだしで、
帰りはR20でのんびり帰ろう・・・としたらこちらも上野原から動かず。
道志へ逃げて、例によってとんかつ赤城へ登山して、21時頃帰宅。
いやあ、面白かった。
もうちょっと紅葉してから反対側からも登ってみたいもんです。
04:00 相武台発
06:40 道の駅「みとみ」着
07:00 道の駅「みとみ」発
↓ 徒歩ここから
07:40 雁坂トンネル料金所
11:30 雁坂峠着
11:40 雁坂峠発
11:50 雁坂小屋着
12:30 雁坂小屋発
12:45 雁坂峠着
13:00 雁坂峠発
15:00 雁坂トンネル料金所
↓ 徒歩ここまで
15:30 道の駅「みとみ」着
16:00 道の駅「みとみ」発
16:15 笛吹きの湯着
17:30 笛吹きの湯発
21:30 帰宅
日本武尊や武田信玄が越えて行ったといわれる日本三大峠「雁坂峠」を
平成10年4月に開通した一般国道山岳トンネル国内最長6625mの
雁坂トンネルが通っていることであまりにも有名です。
関東在住のライダーであれば、誰しもが免許取得前から恋焦がれ
一度はツーリングに訪れた名所であることは疑いの余地がありません。
(え、嘘?んなことない?)
が、しかし!
君は知っているだろうか。
国道140号線が制定されたのは1953年。
たった10年余り前に雁坂トンネルが開通するまでの国道140号線が
こともあろうに、ダート酷道どころか、あらゆる乗り物(鹿を除く)が
通行不能な登山道であったという事実を!
そうなのだ。
ボクを含め雁坂トンネルを通過して国道140号線を走った気になったいるライダー達よ。
真の国道140号の姿を僕たちはまだ知らない・・・。
って、何このポエム?
というわけで、でぃすかばーじゃぱん。
スピードの向こう側ならぬ国道の向こう側をずっと見たくって。
この前の日曜日に雁坂峠に登って来ました。
そこで遭遇した驚きの「アレ」とは・・・。(ずごご)
#お断りしておくと、だらだら記録なのでやたら長いです。
◆◆◆◆◆
最初に地図。
GoogleMapのリンクはこちら
大きな地図で見る
雁坂峠へ至る旧国道140号な登山道の入り口は
雁坂トンネルの山梨県側または埼玉県側の出入り口の横にあります。
ナメラ沢の谷を通って雁坂嶺のあたりまでいきます。
山と高原地図によると、山梨県側の方が若干イージーで所要時間も短いそうなので
今回は大人しく山梨県側からピストンすることにしました。
(山梨県側は登り3時間半、埼玉県側4時間半程度、下りはマイナス1時間程度)
◆◆◆◆◆
午前4時、緊急入院のサンバーの代車のミニカで出発。
ETC付いてないし、タイヤつるつるだし、代車で遠出するのは気が引けます。
5時30分、中央道談合坂SAのスタ丼屋で腹ごしらえ。
なかなか高たんぱくなメニューです。
でも、開いてる店はどこもちょっと高かったなあ・・・。
◆◆◆◆◆
中央道を勝沼ICで降りて、塩山の町を抜け、6時40分、道の駅「みとみ」に到着。
今は山梨市なんて大雑把になってますが、昔はここは三富村だったのですね。
他にも登山客とみられる人がちらほらいました。
こんな看板があるので念のためもってきた熊鈴をつけました・・・。
ストレッチしてコーヒー飲んで7時過ぎに出発。
◆◆◆◆◆
道の駅の向かい側にある、つり場が登り口のようです。
舗装路が続きます。
やがて釣り場に出るのですが、こんなところにも桔梗屋の信玄餅。
ここからは未舗装の山道。
高度は約1100m。
こっから2070mの雁坂峠まで登りますよ。
ここの気温は10度ほどでした。
と山道をしばしあるくと、舗装路に合流し
雁坂トンネルへ向かうでっかい橋に出くわします。
さっきの山道はショートカット路らしい。
アパートみたいな廃屋が登場。
覗くとだだっぴろい広い部屋があってなんだろうと思ったら
雁坂トンネル工事の作業宿舎な模様。
だだっぴろい部屋は事務所かな。
そしてしばらく舗装林道をぐんぐん登っていきます。
分岐が何箇所かありますが、なかなか親切。
登山道となった今もしっかり手が入って道が生きてる証拠ですね。
おおっ、眼下に現れたのは雁坂トンネルの料金所!
しばらく観察してましたが、バイクが次から次へと現れます。
天気もサイコーだったので、ツーリング楽しいだろうなあ。
とか、すっかり舞い上がったテンションがイキナリ駄々下がりします。
というのも、なんだこりゃー?
なんということだ。
料金所が下に見えたと思ったら坂を一気に下って
料金所横の駐車場に出てきてしまった。
どういうこともなにも、改めて山岳地図のガイドをよく読むと
登山口は料金所の横ってふつうに書いてあるじゃん。
バスに乗る場合は道の駅から歩く必要があるけど
クルマで来るならここに停めればよかったんですね。
ここまで40分も無駄に坂道を歩いてしまった・・・。
◆◆◆◆◆
帰りも無駄に歩くのかと考えるとウンザリだけどしかたない。
気を取り直して歩き出したら、そんなガッカリもすぐに吹っ飛んだ。
いやあ、いいねえ。
これぞ(元)3桁国道って感じで胸熱です。
舗装林道をてくてく行くと、彼方に目指す雁坂嶺(だと思う)が見えました。
小一時間ほど歩くと沓切沢橋に到着。
ここでようやく舗装林道が終わり、いよいよ登山道です。
ちなみに、ややこしいけど、橋の名前は沓切沢なのに沓切沢はここではないんだとか。
◆◆◆◆◆
登山道の入り口にはとても大きな木があって、行きも帰りも不思議と魅入ってしまった。
木の表面のごつごつしたこぶと、そこに生えてる苔の野生感がすごい。
おだやかな広葉樹林となだらかな坂道が続きます。
と、ここで急に沢渡りが出現。
とはいえ、斜面にはご丁寧にロープが張ってあるので
坂道を滑らないように注意しとけばなんともない。
ただしガイドマップによると冬場は凍るので注意とのこと。
かろうじて読める農林省時代(~1978年)の看板。
中には完全にのっぺらぼうな子もいましたけど
私が生まれる前からそのまんまってことだから無理もない。
そしてここが本当の沓切沢。
あと2時間の看板がありました。
◆◆◆◆◆
沢を渡ると、再び沢が。
一瞬、どこへ行くのかわからなかったのだけど、向こう岸の赤いテープと
岩に描かれた矢印を見つけて、向こう岸へ。
が、ここで、想定外の事態が発生。
沢を渡ったら、沢沿いに進めばよかったのだけど
何を勘違いしたのか、この水が流れる急斜面を登り始めてしまったのだ。
いやね、山岳地図に「急斜面」「冬場はガレが凍りアイゼン必要」とか描いてあるし
ネットで下調べしたときに、こんな斜面を登るっていう写真を見た気がして
刷り込まれてしまってたんですかねえ。
なんとなく道っぽいし。
気がつけば、遥か下の他の登山客が米粒みたいに・・・。
やがて沢も見えなくなって音だけが遠くで聞こえるような感じに。
もはや道の気配も薄れて、獣道なんだか、なんなんだかワケワカラン。
余裕の45度越えなので写真撮ってるだけで足がプルプルいってます。
でも、何かが通ったあともあるなあなんて思ってると、糞発見!
このコロコロ具合は鹿かしら?
で、登れども登れども道らしいものは見えず
ピンクのテープも見当たらず、どこをどう登ってきたのかもよくわからず。
人が通らないかなあと、耳を澄ますと、ガサガサガサ!
って音がして、大きな鹿が斜面を駆け上がっていきました・・・。
ああ、こりゃあ遭難一歩前だわと、半ば滑落しながら、沢の音を頼りに下ると
沢沿いにピンクのテープを発見して安堵。
アホだ・・・。
◆◆◆◆◆
徐々に沢を離れ、お花畑跡みたいなところを抜けまして。
時々おやつを食べながら。
道は徐々にジグザグの急な上り坂に変化。
井戸沢を越えたあたりからぐぐっと一気に高度があがると、突如視界が開けました。
おお、あれは!
/^o^\フッジッサーン
高度1800mあたりから周りの景色は、谷間の薄暗い広葉樹林から一変。
日当たりのよい尾根沿いに疎らな針葉樹が伸び、足元は低い熊笹が茂ってます。
空が近いぜ!って感じ。
飛行機なんかも大きく見えちゃう感覚に、昨年登った富士山を思い出したり。
上にいくほど人と出会う機会が増えまして。
40人ほどの元気な老人の集団にも遭遇しました。
残りの300mほどは急勾配が続いて息があがりますが、
たびたび現れる富士山の姿に元気付けられえんやこらと。
それにしても、この谷をずっと登ってきたんだなあというのが
よくわかる写真です。
◆◆◆◆◆
そして11時30分、日本三大峠の一つ雁坂峠(2070m)に到着。
迷子になったりそもそも入り口が違っていたせいで予定より1時間も遅れてしまった。
秩父往還の歴史については、写真をクリックして読んでくださいまし。
気になるのは「一般国道140号となった現在は」という記述が残ってるあたり。
以前はここが本当に国道だったんだなあと思うと感慨深い。
◆◆◆◆◆
雁坂峠からさらに40分ほど登ると雁坂嶺ですが、
そっちには行かず、「あるモノ」をお目当てに
秩父方面へ旧140号を下ったところにある雁坂小屋を目指します。
秩父側は山梨側とは景色がうってかわりまして
再びうっそうとした森になります。
10分ほどで雁坂小屋に到着。
ここの秩父~甲斐の連峰には、雲取山やCRMで行った御岳山や大弛峠などが名を連ね。
いつかここも縦走してみたいなあとか。
「と言うか、確かめておりません!」w
しかし「このあたり」ってずいぶんとピンポイントですね。
山小屋は中に入れましたが管理人さんは不在でした。
張り紙を見ると、秩父で民宿を営んでいるらしくちょくちょく下山されるようです。
現在は素泊まりで、代金を箱に入れるシステムみたい。
雁坂小屋のブログもあります。
http://karisakakoya.blogspot.jp/
気温は15度ほど。
でも、日差しが強くて、ブレスサーモの長袖Tシャツ1枚でも汗だくでした。
突然ですが、便所です。
おおおおおおおおおおおおお!
本当に、あったー!
実はですね、わざわざここまでやってきたのは、この便所が見たかった!
というのが、一番の理由だったのですよ。
この便所、ただの便所じゃありません。
どういうことかというと、この便所へ続く道は旧国道140号線。
その道はこうやって便所の中を通って・・・
反対側へ続きます。
そうです。
こともあろうに、雁坂小屋の便所は、旧国道140号の路面に建っている。
逆に言えば、旧国道140号が便所の中を通過している、ということになります。
用を足している背後を人がサワヤカに通り抜ける構造。
国道のくせに登山道なんていうのもハチャメチャですけど
このトイレの生態が持つインパクトがあまりに大きいことから
雁坂トンネルが開通するまで国道140号は
「便所国道」
という異名を取っていたのだとか・・・。
しかしまあスペースがないからってトイレの中を
国道を通過させちゃおうっていう発想が斬新過ぎますよ。
とはいえ、作ろうと思えば場所はあるのに、どーゆー経緯でこうなったのか、気になります。
そんなわけで、トイレ向かってまっしぐら!
時を駆ける少女・・・
じゃなくてトイレを駆けるおっさん2013。
国道のトイレを抜けるとそこは国道でした。
入ってまーす!
雁坂小屋のブログを見るとわかるように
管理人さんは常駐はしてないものの、頻繁に登られているようですね。
トイレのカレンダーも(こんなトイレにカレンダーが?)今月のものですし
掃除も行き届いていてとても綺麗でした。
水は沢から汲んでるようで、たっぷりありました。
持ってきた水が足りなかったので助かったです。
山の暮らしを思わせるシブい品がぶらぶら。
◆◆◆◆◆
と、雁坂小屋、もとい便所国道を堪能したあとは、再び雁坂峠へ。
◆◆◆◆◆
12時45分、雁坂峠へ戻って来ました。
お、お、お、おにぎりが、たべたいんだな!
ふじさんおにぎり食べたいなを実現したの図。
◆◆◆◆◆
おにぎりを食べたらもう13時。
当初の予定では、もうちょっと登って雁坂嶺まで行くはずでしたが
時間がおしていて、往復1時間を費やすのは無理があると思ったので泣く泣く下山。
行きには見かけなかった場所がありました。
ガケを登ったせいで通り過ぎてしまったんですね。(苦笑)
きのこっこ。
この先生きのこれるのか必死だったので写真とってませんが
迷子中になんだこりゃっていう巨大きのこにも遭遇しましたよ。
なんかこっち見てるーー!
鹿さんの親子でした。
彼らは、出会うといつも、なぜじっと見つめて動かないのか不思議です。
既に通行禁止となって久しいはずの林道ですが、シニアな看板も残ってます。
行きに通ったショートカットを通り過ぎてしまったため
スタートとは違う見慣れぬゲートから国道140号に復帰。
15時30分、道の駅にもどってきました。
帰り道、雁坂トンネル料金所からここまで歩くのは本当にうんざりしました。
下り続けてけっこう足にもきてましたし。
それにしても老人の登山客が多いなあ。
◆◆◆◆◆
くたびれたので、元三富村の村営温泉である「笛吹きの湯」に立ち寄り。
露天風呂はかなりぬるいのですが、このぬるさがなんとも言えぬ気持ち良さで
長湯うたたねすること間違いなし。
気がつけば1時間ほどお湯の中でぼんやりしていました。
綺麗で気持ちの良い浴場でした。
タオルカップラーメン?(笑)
右のついたてが露天風呂(女湯もある)なんですけど
どう考えても左側の運動場にあるらせん階段のやぐらから丸見えのような・・・。
いや、もちろん試してはないのですが。
◆◆◆◆◆
中央道はめちゃくちゃ渋滞しているし、ETCがないので高いのもいやだしで、
帰りはR20でのんびり帰ろう・・・としたらこちらも上野原から動かず。
道志へ逃げて、例によってとんかつ赤城へ登山して、21時頃帰宅。
いやあ、面白かった。
もうちょっと紅葉してから反対側からも登ってみたいもんです。
04:00 相武台発
06:40 道の駅「みとみ」着
07:00 道の駅「みとみ」発
↓ 徒歩ここから
07:40 雁坂トンネル料金所
11:30 雁坂峠着
11:40 雁坂峠発
11:50 雁坂小屋着
12:30 雁坂小屋発
12:45 雁坂峠着
13:00 雁坂峠発
15:00 雁坂トンネル料金所
↓ 徒歩ここまで
15:30 道の駅「みとみ」着
16:00 道の駅「みとみ」発
16:15 笛吹きの湯着
17:30 笛吹きの湯発
21:30 帰宅
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便所国道
お疲れ様でした!
登山は疲れちゃうので遠慮気味な私ですので、
是非これからもレポをお願いします!
×もうちょっと紅葉してから反対側からも登ってみたいもんです。
○今週末に左側の運動場にあるらせん階段のやぐらに登ってみたいもんです。
上記のように訂正をお願いしますw
登山は疲れちゃうので遠慮気味な私ですので、
是非これからもレポをお願いします!
×もうちょっと紅葉してから反対側からも登ってみたいもんです。
○今週末に左側の運動場にあるらせん階段のやぐらに登ってみたいもんです。
上記のように訂正をお願いしますw
- まほん
- 2013/10/03(Thu)18:35:46
- 編集
便所国道
お下品な次回作はこちらでしたか(^_^;)
最後まで一気読みでしたよん。
君は色んな意味でチャレンジャーだね。
僕は性格的なものなのか、年のせいなのか、なかなかチャレンジができません。
次回も期待してま~す。
最後まで一気読みでしたよん。
君は色んな意味でチャレンジャーだね。
僕は性格的なものなのか、年のせいなのか、なかなかチャレンジができません。
次回も期待してま~す。
- trash
- 2013/10/03(Thu)21:38:50
- 編集
便所国道
噂の現場へ急行したわけっすね!
2度の登山でお腹もいっぱい。
お疲れ様でした^^
2度の登山でお腹もいっぱい。
お疲れ様でした^^
- まさくん
- 2013/10/03(Thu)22:25:06
- 編集
便所国道
>まほんさん
えー、ファミリーピクニックとか楽しそうじゃないですか。
いかないのはモタイナイですよー><
やぐらにはチャレンジしてみたい気もしますが、もし仮に、仮にですよ!?(by宮城光)
視界に飛び込んできたのが、ドキ、おじいちゃんだらけの露天風呂!だったら、いろんな意味で立ち直れないと思うのです・・・。
>trashさん
今日もOGEHINです(笑)
trashさんのほうがワタシよりずっとイケイケそうなんだけどなあ(^-^;
来年の大山は徒歩とか、まずは三合目から・・・。
そおいえば、琵琶湖のほとりの生きた遺跡は売却されたらしいですね。
>まさくんさん
2度の登山でおなかいっぱいだけでなく、まさくんさんはよくご存知の、相模湖の方から道志へいくせまいクネクネ道。
あそこをはじめてクルマで走りましたが、心が折れそうで、一番疲れたかも(笑)
バイクだと楽しいのですけどねえ。
えー、ファミリーピクニックとか楽しそうじゃないですか。
いかないのはモタイナイですよー><
やぐらにはチャレンジしてみたい気もしますが、もし仮に、仮にですよ!?(by宮城光)
視界に飛び込んできたのが、ドキ、おじいちゃんだらけの露天風呂!だったら、いろんな意味で立ち直れないと思うのです・・・。
>trashさん
今日もOGEHINです(笑)
trashさんのほうがワタシよりずっとイケイケそうなんだけどなあ(^-^;
来年の大山は徒歩とか、まずは三合目から・・・。
そおいえば、琵琶湖のほとりの生きた遺跡は売却されたらしいですね。
>まさくんさん
2度の登山でおなかいっぱいだけでなく、まさくんさんはよくご存知の、相模湖の方から道志へいくせまいクネクネ道。
あそこをはじめてクルマで走りましたが、心が折れそうで、一番疲れたかも(笑)
バイクだと楽しいのですけどねえ。
便所国道
め、めのつけどころがたまごさんだね!!!ってことで、
絶景ですね!!!!
鹿以外の乗り物でヤックルも認めていただけるでしょうか??
山の中の苔って美しいですね。
きのこもかぐわしい画です。
バイクで峠とか山道とか苦手なのでスゲーって思います。
絶景ですね!!!!
鹿以外の乗り物でヤックルも認めていただけるでしょうか??
山の中の苔って美しいですね。
きのこもかぐわしい画です。
バイクで峠とか山道とか苦手なのでスゲーって思います。
- かじか
- 2013/10/08(Tue)20:59:13
- 編集
便所国道
>かじかぁさん
やっくるはどーぶつ同士でクンクンしてたのが可愛かったです。
おおかみの子供も登れそうですが、あれは乗り物じゃないのでカウントせず。
苔やキノコはどういうデザインセンスでああなったのか不思議です。
タイムマシンがあったらデザイン担当呼んできて問い詰めたいなと。
やっくるはどーぶつ同士でクンクンしてたのが可愛かったです。
おおかみの子供も登れそうですが、あれは乗り物じゃないのでカウントせず。
苔やキノコはどういうデザインセンスでああなったのか不思議です。
タイムマシンがあったらデザイン担当呼んできて問い詰めたいなと。
便所国道
め、めのつけどころは眉毛の下ですね!!!ってことで、
ボ、ボクも、お、お、おにぎりは大好きなんだな。
便国おにぎりは格別でしょうねーw
ボ、ボクも、お、お、おにぎりは大好きなんだな。
便国おにぎりは格別でしょうねーw
- tkj
- 2013/10/12(Sat)06:13:36
- 編集
便所国道
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バイク乗ったりうまいもん食ったり本読んだり写真撮ったり音楽聴いたり旅人に憧れれつつ人生迷子中だったり。
お問い合わせは wanito.kagekisuあっとgmail.com まで
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